親にカムアウトした時の話

私の親は今風に言えばパリピ陽キャという明るい人で、クラブは勿論行くし、ゲイバーにも行って店子の人と友達になったりするし、特にドラァグクイーンに関しては強い関心を抱いていて、その外見の美しさやメイク等が好きなようで今でもインスタ等で見てる程度には同性愛やLGBTには偏見の無い人なんですよね。

そういう親の元で育ったので、私も10代の時にバイセクシャルな事を伝えても普通に受け入れてくれる程度には楽な部分はありましたし、今考えてもLGBTの当事者としては親には恵まれてはいるなと強く感じますね(LGBT当事者が親や身内関係で苦労されたり悩まれたり、場合によっては親子の縁を切る事になったり、強く否定されて心に深い傷を受けたりする話も頻繁に聞くので尚更実感します)

そういう経緯もあり、自分がまだ話していなかったトランスジェンダーな事や女性ホルモン剤を服用するような事をしても多分受け入れてくれるんだろうなという淡く甘い期待がある一方で、「LGBTの話は他人の事なら気にしないし受け入れるけど自分の子供や身内だったら受け入れられない」というパターンの話もいくつか聞いたことあるので、もしかしたらこのパターンがあったりするのかもしれないという可能性が頭にあったので、女性ホルモン剤を服用した当初は半年過ぎたらカムアウトしようかなと考えていました。

女性ホルモン剤を服用して約3ヶ月が過ぎた頃、肉体的にも変化が出てきて胸が少し出てきました。

普段家ではエアリズムを着ているのですが、その時着てたのはちょっと伸びてて体のラインがあまり出ない状態だったので胸は目立たなかったのですが、新品のエアリズムに着替えたら体のラインが分かる程度にはピッチリしてて、主観では胸が浮き上がって見えたので「これ目立つかな……」と思いつつも、鏡で見たら「黒色だしそこまで目立たないかな……」「これぐらいなら男の人でも居る程度の胸だよね」と思ったのでそのまま親の前に行って話していたら急に胸を見られて「胸出てない?」と言われてドキッとしました。

まさかそんなすぐ見破ってくるとは思わなくて動揺してしまい「そ、そう?気のせいじゃない?」とか言って誤魔化したのですが、直後に「女性ホルモン服用してる?」と言われたのでまたドキッとして、その時言えればよかったのですが、あまりにも動揺してしまい誤魔化して一旦逃げたものの、翌日にも「やっぱり胸出てない?女性ホルモン服用しているでしょ?」と言われ「服用してるね……」と白状する形でカムアウトする事になりました。

その後、女性ホルモン剤に関する質問をいくつかされて「性転換したいの?」と聞かれ、その時はまだ結論が出てなかったので「玉だけ取りたいかな」と言って「そっかー」「もっと早く言えばよかったのに~」と言われ、受け入れてくれる可能性は高かったとはいえ、そう言ってもらえて安堵しましたし、否定される可能性は杞憂だったなと思いました。

そういう事もあって今はオシャレだとかメイクだとか、女性方面に関する事を気軽に聞ける関係になりました(気にすることなく親の前で服を脱げるようにもなりました)。


ちなみに子供を残せない事に関しては、子供の時から「結婚したくない」「子供も作りたくない」と何回か言っていたのもあってか気にしてない様子で、寧ろ「(母曰く)孫出来ないなら一生婆ちゃんにならないからいい!」と前向きな事を言ってくれたので、その点でも救われましたね。

書いてて改めて思いましたが、本当にレアケースな存在で親に恵まれているなと実感しますね。

色々と問題抱えて迷惑かけている子供だけど、受け入れてくれてありがとう。感謝してます。